みんな岐路に立っている。
2010年 04月 10日
こんばんは、Nです。

今週はなんだか不思議な一週間だった。

月曜日はEasterの代休でお休みで、洗濯をしたりしながら、卒業後の進路についてネットで調べたりして過ごした。
ひとつ、僕の中で封印していた選択肢を解禁しなければならないんじゃないかというところにたどり着いて、その選択肢を解禁する決心をして、それについて調べていろいろ情報を得ることができた。
すると、なぜかそこからバタバタと、平日のdinnerの約束が入り始めた。

火曜日。
語学学校時代に同じクラスだったサウジアラビア人と中国人とのdinner。
dinnerとは言っても、サウジの友人が住んでいるunilodgeの向かい側にあるBroadway Shopping Centerの中のフードコート。そこのfish burgerが彼らのお気に入りらしい。
僕の右側では、サウジアラビア人の医者の友人が、porkを食べると発癌リスクが高まる(だからイスラムの教えは科学的にも理にかなっている)、なんていうホントかウソかわからない話を力説している。左側では別のサウジアラビア人が、中国人はなにもかもgovernmentに管理されていてお前はそれでもいいのか?それでもお前は卒業したら中国に戻るのか?と、中国からgoogleが撤退した話などを持ち出して中国人の友人を質問攻めにしている。ちなみにその中国人は鄧小平が始めた経済の開放路線をとても評価していて、governmentのおかげで今の中国の経済的発展があるのだと反論していた。彼はすでに中国でベンチャー企業のようなことをやっているらしく、今のコースが終わったら、一緒に留学している彼女のコースが終わるのを待ってから中国に戻って、また彼のビジネスに邁進する予定らしい。僕はちょっと彼のことを尊敬していて、ぜひ成功してもらいたいと思っている。

水曜日。
シドニーにきて最初のころに一緒に住んでいた日本人シェアメイトと、彼を介して知り合った日本人の友人たちと久しぶりに会ってKorean Dinnerを。
一人が、もうシドニーでビザが得られる見込みが限りなく低くなったので日本に帰ろうと思っている、と切り出した。その友人は最近の生活がいかにハードかを一通り僕らに説明して、仕事先の社長はひどい、こんなにがんばったのに約束だったビジネスビザは出せないと言っている、といった話を何度も何度も繰り返していた。愚痴のループにちょっと疲れてしまったが、でも確かに仕事は大変なようで、僕ならそんなハードな生活はできないだろうな、と思いながら聞いていた。
苦労話のループが何周かしてその友人がちょっと落ち着いたところで、別の友人が、離婚を決意したことを話し始めた。オーストラリア人の奥さんとはもう話がついているそうで、近いうちに2人のお子さんに説明してから別居生活に入るのだそうだ。彼の中では、家族の幸せを実現するために一生懸命働いてきたという思いが強いようだったが、オーストラリア人の奥さんのイメージとしては年に1回か2回は2週間から4週間ぐらいの長期休暇があって家族みんなでどこかへ遊びに行きたい(むしろそれが常識的なライフスタイル)と思っていたようで、いい生活を提供したい一心で働き続けたその友人との間に大きな溝ができてしまった、彼の説明はだいたいそんな感じだった。
彼は「もう今日はみんな飲んじゃおうよ!」なんて言ってビールを注文する。でも、注文した本人は酒が飲めないので結局僕が飲むんだけど。
なかなか考えさせられることが多い夜だった。僕だけじゃない、みんななにかしら悩みや難しさをかかえて生きているんだな、それに比べたら僕の状況は大したことはないのかもしれない。

木曜日。
夜にサッカーをする約束があったが突然の雨でキャンセルになったので、9時過ぎぐらいまで学校で論文に関わる作業を続けた。論文のほうは時間ばかりかかるもののなかなか筆は進まず、タイレストランでyellow curryを買って10時ごろ帰宅。ひさしぶりにchatをオンラインにしたまま忘れていたら、12時ごろに日本に住む友人から話しかけられた。
その友人は、どうも最近体調が悪い、と話し始めた。
いろいろ話を聞いていると、もう仕事がいやでいやでしょうがない、とのこと。転職を考え始めた、と。
その友人はあまり毎日酒を飲むタイプではなく、それに僕よりもしっかり自己管理ができる人なのだが、最近はビールを1缶か2缶飲まないと寝れないのだとか。夜遅くに家に帰って、気がつくと手に缶ビールを持っているんだそうだ。
まるで2年前の僕のせりふをそのままその友人から聞いている感じ。
いろいろ具体的に気になる症状もあるらしく、週が明けたら病院へ行くように強く勧めておいた。

それから、これはdinnerではないんだけど、大学の同じ講座の韓国人の友人がシドニー大学のPhDへapplyしたのだが却下されてしまったので、今週は彼女ともう一人のイラン人の留学生と、将来のプランについてたくさん話をする機会があった。その韓国人の友人は僕よりも1年早く僕と同じコースを終えていて、永住権取得の目的で別なコースを履修しつつ、僕と同じ講座ではresearch assistantとして籍を置いている。講座の責任者の先生にも気に入ってもらっていて、paperも1つは出ていて、今2つ目に着手している。しかし、そんな彼女にとってもシドニー大学の物理学科のPhDは狭き門であったようだ。
で、アメリカの大学院にapplyするか?オーストラリアの他の大学にapplyするか?アメリカにするならGREも受けなきゃならない、じゃあまた受験勉強ね、なんていう話から参考書の話や勉強の仕方の話になった。一方でその韓国人の友人が今結果を待っているオーストラリアの永住権のためのskills assessmentの結果が1カ月たったのにまだ来ない、という話もあり、ダメだったらやっぱり自分の国に帰る?いやそれはしたくない、などなど、話は尽きない。
僕の一歩先を行っている彼女の話は僕にとっては参考になることばかり。でも、その彼女もまだ明確な今後のプランは持っていないようだ。

金曜日。
この日の友人とのdinnerは全然関係ない楽しい別な話から始まったが、そのうち将来のプランの話になって、友人が今どんな将来のプランを考えているのかを聞かせてもらったり、それから僕が最近考え始めたプランや今週いろんな人からもらった意見やアドヴァイスについても貴重な意見を聞かせてもらった。

ひとつ、気付いたことがある。
それは、これから何か月かの間は不安からは逃げられない、不安と同居して仲良く暮らしていかないといけない、ということ。考えてみたら、当たり前のことだ。会社を辞めた時点でこれは確定していたことだ。
何人かの友人はすでにオファーをもらっていたり、結果待ちや返事待ちだったりするが、僕の場合はアクションを起こすための”実績”というか”結果”といった相手に見せられる素材をまだ持っていない。しかも恐らく予想しているよりも論文には時間がかかりそうだ。
先のことを考えておくことは重要なことだが、まだ視界が悪いうちから、選択肢もよくわからないのに、まだ出そろっていない選択肢についてあーだこーだ言ってもしょうがない。という、今までも何度かたどり着いていたdead endにまたしてもたどり着いてしまった。
不安なまま時間を過ごすのはイヤだったので、それらしい何か”プラン”が欲しかったんだけど、もうこれから向こう何カ月かは、不安を抱えたまま、不安と付き合いながら進んでいくことしか今の僕にはできないんじゃないか、という気になった。

ところで、そこでちょっとジャズの話が出た。
友人がBill EvansとOscar Petersonが好きだ、と切り出した。
Bill Evansは以前のエントリでリンクを貼ったりしたが、僕はやっぱり、Bill Evansはオーストラリアには似合わないと思う。オーストラリアという土地は、天気も良く過ごしやすくて、ビーチへ行って寝転んでいればそれだけで、抜けるような青空とそれをそのまま鏡にうつしたような海を見ながら、このままずっと太陽とともにeasygoingな人生を送って行けそうな気分になってしまう。しかし、Bill Evansは、オーストラリアのビーチとは正反対の場所にいる。枯葉なんて、シドニーでは気付かない間に清掃車が来て片付けてしまって、終わり。

で、Bill Evansとともに名前が挙げられたOscar Peterson。僕はJazzはあまり詳しくないんだけど(言い訳)、この時僕はOscar Petersonのことを全く別の人と勘違いしていたことを今朝ネットで検索していて気がついた。

Oscar Peterson - You Look Good To Me


なんてチャーミングな曲。
実はすっかり気に入ってしまって、今朝からこればかり聴いている。

金曜日のお酒の席も、こんな感じで楽しくてチャーミングな時間だった。僕は、またちょっとはしゃいでしまった。
一週間話し続けた答えの見えない将来のプランの話をした後で、それぞれのパートナーの話になったりして、でも僕はネタがないので、15年ぐらい前にバイトで貯めたお金で当時の彼女に指輪をプレゼントしたなんていう、すでに埃をかぶっているような古い話をした。それはもちろん僕にとって人生で初めて指輪を買った経験で、女の子の友人にお願いして一緒にお店についてきてもらって、あれがいいとかこれがいいとかアドヴァイスをもらったのだが、店員は当然カップルだと思うわけで「これなんか彼女に似合いそうですよ」とすすめられた瞬間に二人同時に「彼女じゃありません!」とつっこみ返したりした。そうして指輪を買ってから、僕はしばらく放心状態だったようで、半ニヤケの状態で口をぽかーんと開けたままだった、と後日その友人から聞いた。
そんなことを思い出したりしながら、Jazzは聞けなかったが久しぶりにウィスキーを飲んでみたりした。
あんなに飲んだのに奇跡的に二日酔いにはならなかった。

不思議な一週間だった。

みんな岐路に立っている。
宿場の飲み屋で旅の途中の人たちと出会って酒を飲み交わす。あなたはどちらへ、東?西?僕はまだ決めてません。また旅の途中で会ったら一緒に飲みましょう。そのときはおごってくださいね。じゃあ、元気で。たぶんそう言って笑顔で別れて、また気が向いたほうへ歩き始める。

そんな感じ。

そんな、宿場の飲み屋でバイトしたら、興味深い話がたくさん聞けて面白そう。
いや、飲み会の幹事って、そんなもんかもしれない。悪くない。


気に入ったかたはクリックを→人気ブログランキングへ人気ブログランキングへ
オーストラリア留学の窓

special thanks to Chic Education, check Sydney weather at weatherzone
special thanks to インターネット・セミナー by 高田健次郎先生, EMAN物理学
study with SPACE ALC, 英辞郎 第四版, smart.fm, Ten News
special thanks to Drinkers Chamber Orchestra
[PR]
by manakano1972 | 2010-04-10 23:45 | 日々の雑感 | Comments(9)
Commented by akira at 2010-04-11 20:17 x
濃い話題の一週間だね。

五輪水泳陣を担当したメンタル専門家がテレビで言ったけど、ゴールの少し先を本当のゴールだと思い込ませるんだと。壁にタッチして掲示板の結果をふりかえる瞬間が「ゴール」というイメージトレーニング。壁にタッチする瞬間まで、全力以上が出せるように。僕の打楽器の先生も、ティンパニは皮をたたくんじゃなくて、皮の5センチ下を打ち込む感覚で叩けと言ってました。

ナッカムのゴールが、どこに置かれているのかわからないけど、先を見越した準備は、悪い話ではないのかもね。ゴールといえば、サムライJAPANのゴールは、どうなってるんだ。こっちもかなり心配だろう?カズは相変わらず頑張ってるのにねぇ。
Commented by manakano1972 at 2010-04-11 23:24
Nです。
akira氏、コメントありがとう。
いつかコメントくれるだろうと思っていたけど、
こういうちょろっと昔の話に触れてるエントリで
akira氏からコメントをもらってしまうと、
なんだかちょっと恥ずかしい感じです。ははは。

「ゴールの少し先を、本当のゴール」というのはいい話ですね。
行きすぎちゃうぐらいがんばるつもりでやってみる、
という感じで僕もやりたいと思っているんだけど、
実際はなかなか力が及ばないことばかりで。。。

一番の心配は、6月にワールドカップが始まったら
サッカーが気になって勉強が手につかなくなってしまうんじゃないかと
いうのがもう心配で(笑)。
ホント、ワールドカップが始まる前に目途がつくようにがんばりたいよ。
Commented by Ryu at 2010-04-12 18:24 x
こんにちは.

うまく行くかわからないけれども,不安と同居しながら進んでいくのは,
研究とまさに同じですね.不安と仲良くというのはなるほどと思います.
大学院は,それの疑似体験というか,立ち直れる程度に挫折し,
成功体験も得つつ,といったところかもしれません.

最悪の事態も考えつつ,でも楽観的に...なかなか難しいものです.
でも,結局なんだかんだでまあうまく行ってしまうんですよね.
私も,研究テーマの一つが長いトンネルのなかです.
でも,はるか向こうに出口が見える(ような気がします).

Nさんの今の気持ちはきっと私が半年後にぶつかるものでしょうね.
次回は私も参加させてください.学生時代に戻ったつもりで,
お互い意見をぶつけ合いながら,飲みたいものです.

こんなことを,例の地下室で考えました...
Nさんが思うほど気がめいる場所ではないですよ.
Commented by kosz at 2010-04-12 19:43 x
その火曜日の席での話ですが…。
ちょっと調べてみたところ、豚肉は膀胱がんのリスクになっている…かもしれないようです。ただ、大腸がんの研究などでは、日本人は肉類の摂取量が少なくて、リスクと言うほどには至らないようですが。

ま、こんな話はともかく、Ryuさんが言うように研究はどこか生活と似ているのかもしれません。理論上はうまくいく…はずなのに、なかなか結果が出ないとか。自分は頑張っているのに、なぜか機械がうまく動いてくれない…とか。

僕のように人を対象に研究していると、そんなことばかりです。理論はあくまでも理論でしかないんだと、何百回も教えられました。だからこそ楽しいとも思いますし、人生も楽しまないと、と思っているんですけど。

また、みんなでいろいろ飲みながら話したいですね。もう少し静かなところがいいけど(笑)。
Commented by mukkinenn at 2010-04-12 22:27 x
こんばんは
なんだか、ディープな袋小路に入り込んでしまったような・・・ 村上春樹風に言うと、深い井戸の底に自ら降りて行って、そこから上の方の光を見つめながら、ああでもない、こうでもないと思案しているような時間かも知れませんね。でも、井戸からはでられると思います。どうやって井戸から上がるのか? ということは本人のみぞ知るところですが。



Commented by Oishiineko at 2010-04-14 22:27 x
こんばんわ。
村上春樹の小説を読んでるような引き込まれる文章の興味深いエントリですね。
日本にいても、いくつもの岐路に立たされて悩みながら前に進む道を考えてそうなのに、社会人経験者で留学も終盤ともなるとこの先どうするのか、とか考えますよね。

不安やプレッシャーって、友達と話したり、飲んだりして、一通り紛らわしたところで、冷静になって自分と向かい合う時間が大切なのだと思う。人っていつになっても成長するんですよねw

ところで、ネコもBill EvansもOscar Petersonも好きです。確かに陽気でイージーゴーイングなオージーには、Bill Evansは似合わないかも。もっとJerry Lee Lewisのブギウギとか、Thelonious Monkの下手上手なピアノとか、Keith Jarrettの唸りながら弾くピアノとかのほうが合うのかも =^..^=/
Commented by manakano1972 at 2010-04-15 16:27
みなさんコメントいただきありがとうございます。
なんだか、上手く返事のコメントが思い浮かばなくて、
ちょっと放置してしまっていました。
このエントリはなんだか取りつかれたように結構な勢いで
書いてしまったんですが、
失礼な言い回しは無かったか、
ちょっと重たいネタも書いたので友人が特定されてしまって
迷惑をかけるようなことはないか、
自分の恥ずかしい内面を書きすぎていないか、
今でもちょっと気になるというか、こっぱずかしいというか、
妙な感じなんですが。

> Ryuさん

僕のも、なんだかんだで最後に上手く行ってくれるといいんですが。。。
またそのうち地下室におじゃまします。a-ha聞きながら話しましょう。
それから、またパブでいろいろご意見を聞かせてください。

> Koszさん

こないだんとこはちょっとうるさかったですね。
あんなにうるさかったでしたっけ?あそこ。
週末だったからかな。
Commented by manakano1972 at 2010-04-15 17:01
> mukkinenn

まあ、自ら井戸の底まで降りたんで、まあ自分で登るしかない
んだけどね。
どうやって上るのかは、本人も分かんないな。
ルパン三世ばりに、横にトンネル掘るかな。

> nekoさん

なかなか、退職してから留学すると、終盤にきて、
ちょっと怖くなります。ははは。
まあでも後悔はしていないし、がんばるだけなんですけども。

Jazzじゃないですけど、Jack Johnsonとかはオーストラリアに合う
んじゃないですかね。

あ、21grams、買ってはみたものの、なんだか今見ると、深ーーく
落ちてしまって上がれなくなりそうな気がして、まだ見てません。
代わりと言っては何ですが、20世紀少年の3つめを入手して見てしまいました。
Commented at 2010-04-19 12:51 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
<< モヤモヤmood 自分自身をやる気にさせようと思... >>