自衛隊幹部の論文の問題に思うこと、歴史、政治
2008年 11月 11日
こんばんは。Nです。
今日は、僕ごときが語れる話ではないということを百も承知で、ちょっと政治というか歴史のことを書こうかなと思っています。

そんな気分になってしまったのは、ふたつのきっかけがあったからかな、と自分では思っています。
一つ目は、バラク・オバマの大統領選挙での勝利。学校でオバマの選挙勝利演説のテレビを見たことは以前書きましたが、その後、辞書を片手に演説の原文を自分で読み、ちょっと感動してしまいました。

二つ目は、こちらのほうが大きい理由ですが、最近日本では自衛隊幹部が民間の懸賞論文で最優秀賞をとったとかで、それからその内容うんぬんが議論を呼び結果的に更迭(正確には定年退職)したというニュースが連日報道されているようだということをネットのニュースで知り、いろいろサイトを見て考えさせられた、というのがあります。

僕自身はもともと政治経済に関わるテレビ番組やニュースが好きだというのもあるのですが、実はオーストラリアに来てから何度か、南京大虐殺の話とか靖国神社の話で中国人と話す機会がありました。そのときは(ネタがとっても危険ですから)強いコメントはしませんでしたが、ちゃんと考えておく必要はあるかもしれないなぁとずっと感じていました。だってシドニーは本当にアジア人が、特に中国人が多いんです。シドニー大学の経済学部の学生は、今ではその8割が中国からの留学生なんだそうです。

さて、中国人と話をしたということのひとつめは、ホームステイが一緒だったDerrickでした。なんの話からそんな話になったのかはもうよく覚えていませんが、なぜか南京大虐殺の話になり、すごいんだよ、日本軍はとってもひどいことを中国人にしたんだよ、と彼は歴史博物館のようなところで見たらしき展示についてちょっと熱くなって語っていました。僕が何と返したのかは、ちょっともう覚えていません。

ふたつめは、学校の友人と日本企業が中国に工場を持っているなんていう話をしていたときに南京という地名が出たときでした。いいところだから行ってみなよ、なんて友人から言われたんですが、僕は歴史的な事件があった場所だから怖くて行きたくない、と返しました。彼は、今は日本人に対する感情が悪いということもないから、いい場所だし行ってみなよ、と言った後で、でも日本では南京大虐殺は無かったなんていう議論があるみたいだけどあれはあったんだよ、日本人はひどいことをしたんだよ、なんて続けました。僕は、I don't know, I heard about that, but I don't want to say anything about it, it is difficult to say something, I just know that you are my friend and I am your friend, and, that's all.と言ってそれ以上その話はやめました。

みっつめ、酒好きの僕ですが、海外ではあまり飲みすぎないように特に気をつけているのであまり遅くまで飲むことはないのですが、その日はチャイナタウン近くの日本風居酒屋で12時過ぎまで飲んでしまい、タクシーをひろって帰りました。そのタクシーの運転手が中国人で、「靖国神社ってのはなんなんだ?日本人はなんで中国人が靖国神社のことが嫌いだって知ってるのに靖国神社に行くんだ?なんで政治家も行くんだ?」なんて聞いてきました。僕は靖国神社に桜を見に行ったことがありますが、靖国神社という名前は知っているけれど詳しくはよく知らない、戦争で死んだ人がそこにいる(祀られている、という意味で言ったつもり)、よくわからないし戦争のこともよく知らないけれど、おじいちゃんやおばあちゃんとか、自分の先祖がそこにいたらその神社に行くことは自然なことなんじゃないか。と言いました。タクシーの運転手の中国人は幸い僕のコメントにすこし理解を示してくれましたが、しかしその後しばらくしてからまた、中国人がいやなことをなんで日本人はするんだ、とぶつぶつ言っていました。

お互い、受けてきた歴史教育が異なりますから、この手の議論は平行線をたどってしまうのは目に見えています。下手にけんかにでもなったりしたら嫌ですし、僕の友人の中国人はいいやつばっかりなのでそういう大事な友人を失いたくないですし、あまりこの手の話は深くは話さないことにしています。僕のクラスメイトの中国人は若い人が多く、中には天安門事件やベルリンの壁崩壊の後に生まれている人もいて、要は生まれていないし学校で教わっていないし、ということで全く知らないという可能性があります。(でも南京大虐殺はちゃんと知っているわけですが)

しかし、やはり言われっぱなしだと、ちょっとだけイライラすることもあります。日本の南京大虐殺はこれだけ議論になるのに、ではアメリカの原爆はなぜ議論されないのでしょうか?あれも大虐殺でしょう。(でもアメリカは戦勝国だからね)(それから追記しておきますが僕はアメリカという国は結構好きです)
中国人は南京大虐殺のことを今でも言うけれど、では中国のチベット侵攻は正しいことだったのでしょうか?(ひょっとすると、多くの中国人は中国のチベット侵攻を知らないのかもしれません)

別に歴史認識についてここで議論するつもりもないのでこれぐらいにしますが、防衛省幹部の懸賞論文についていろいろとネットで記事を読んでいるうちに前の防衛大臣、今の農水大臣の石破茂さんのブログに到達しました。非常に興味深いものがあったので下記にリンクしておきます。

石破茂さんのブログ11月5日
石破茂さんのブログ11月10日

石破さんは、西欧列強も侵略国家であったと前置きした上で日本は「遅れて来た侵略国家」だった、と、とてもうまい表現をされています。

昔カナダで語学学校に通っていた時に、メキシコ人のクラスメイトがメキシコの歴史を説明する簡単なプレゼン(の練習)をやっていて、そのとき「スペインはメキシコを侵略した過去があるが、あなたはスペイン人のことは好きか?」と質問したことがあります。彼は「当たり前だ、なんでそんなことを聞くんだ?」と聞き返しました。僕は「一部の韓国人や中国人は今でも日本のことが嫌いだ、だからメキシコ人がスペイン人のことを好きか嫌いか聞いてみたかった」とコメントしました。授業の後で仲が良かった日本人から「発言した瞬間はちょっとドキッとしたが、あのやりとりはとても面白かった(興味深かった)」と言ってもらいました。

全てを時間が解決してくれるなんて言いきれませんが、メキシコ人のコメントのように時間が解決してくれて、いつの日か中国人や韓国人がこのメキシコ人のように、日本から侵略された過去があるが日本人のことは好きだ、と言ってくれることを祈ります。いや、今もう学校の友人はすでに言ってくれていますが。
それから、中国人たちもきっと変わってきているんだろうと思います。彼らは南京大虐殺の話をする一方で、「中国政府は国民に対して全てをオープンにしていない。いつもなにか隠している、信用できない。」という中国人の友人もいます。僕は高校生のときにテレビで見た天安門事件の印象が忘れられませんが、この友人のコメントは天安門事件のころから考えると、想像できないような変化なんじゃないかと思います。

ただバラク・オバマやアメリカ人はうらやましいなぁ、と思うのです。彼らはwe are the United States of Americaと大きな声で言います。バスケットボールの試合の前にも国歌を歌います。
でも日本人はアジアでサッカーの試合があって君が代を歌う時にブーイングがあったり、時にそれが国際問題になったりします。中国や北朝鮮や韓国から日本は侵略国家だと言われ、それに対して何度も頭をさげたりする反面で、拉致の問題や中国との油田の問題、韓国との領土の問題はむこうのなすがままです。
日本の国の中では、今でも学校で自分の国の国歌を歌うべきか歌わないべきかなんて議論まであります。先祖を敬うこと、国歌を歌うこと、どの国の人たちもふつうにしていることを、日本人は悩んだりためらったりしてしまいます。(自虐史観の呪縛、なんて言うようですが)

戦争の話ではありませんが、オーストラリアはアボリジニを差別してきた過去がありますが、Kevin Rudd首相は就任後に公式に謝罪をしています。問題がすべて解決したわけではありませんが、オーストラリアはアボリジニとの関係について新しい友好関係をスタートしたいという意思表示をすることに成功しています。
別に日本がアジア諸国に対してまた謝罪をすべきとは思っていませんが、Rudd首相のような上手い方法はないんだろうか、と思ってしまいます。

今日の僕のブログの記述は、特に何か政治的に主張しようとか、そんな意図はまったくありません。ただ、今こうしてシドニーに住んでいて何回か、戦争とか歴史認識に関わることを問いかけられた経験があったということ、それに対してしっかりとなにか考えを持っておく、あるいは考えを整理しておくことは、(それを強く主張するかどうかはまた別な問題として)こうして海外に住むというライフスタイルである以上は、頭の中に準備しておく価値はあるんじゃないかな、と思いました。

下記は、Redfernの駅のホームです。
この写真だけだと普通の駅ですが、この駅の改札を出て左に進むとすぐに治安の悪いエリアがあり、夜は特に女性は一人で歩かないように学校からも言われています。Rudd首相は謝罪しましたが、社会的に本当の平等が訪れるまでにはもうちょっと時間がかかりそうです。

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では、また。

日本代表はドーハで試合をするようですが、カタールに勝てると良いのですが。。。
ドーハという地名は”ドーハの悲劇”が忘れられず、どうも良い印象を持てません。

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by manakano1972 | 2008-11-11 22:27 | 日々の雑感 | Comments(0)
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